薄花色の休み時間

美術館とか、本とか、映画とか。愛しているものたちについて。

w-inds.を一生推し続ける

つい先々月、小学生の頃の夢を叶えてきた。

w-inds. LIVE TOUR 2018
 

 w-inds.のライブに行ったのは今回が初めてだ。

今までだって行こうと思えばいつだって行けたはずなんだけれど、もう「ファン」を離れてから随分経っていたし、9月7日なら休みが取れそうだなって思いながら、なんてことはない、気まぐれでチケット購入のボタンを押したのだった。

 

彼らとの出会いは小学6年生の時だったと記憶している。その頃の私はまだ地元の田舎に暮らしていて、当時モーニング娘。とか浜崎あゆみとかポルノグラフィティとかEvery Little Thingとかそういうものが音楽番組を席巻していた。

私は、隣のマンションに住む友達の影響で「学校へ行こう!」を観はじめ、あとは「Mステ」と「歌のトップテン」を毎週家族と一緒に観ていた。時々小遣いでなんとなく気になったCDを買うことはあったけれど、それだけだった。

 

そんな小学6年のある日、2ndシングル「Feel The Fate」にであった。 


Feel The Fate(MUSIC VIDEO Full ver.) / w-inds.

 

私にとってまさに「運命」とも言うべき歌で、一瞬にして慶太の歌声の虜になってしまった。

女の子と間違うようなハイトーンボイスに、決して女の子では出せない芯のある歌声。

勝気な瞳と 時々掠れる変声期中の声はどこか色っぽくもあり、「特別」だと思った。

最初のうちはアーティスト名もわからず、歌のトップテンで流れるサビを忘れないようにずっと口ずさんでいたほどだった。

 


try your emotion(MUSIC VIDEO Full ver.) / w-inds.

 

それからはCDや雑誌を小遣いの限り買い漁る日々を過ごした。(ジュノンボーイとか毎月のように買ってたな・・・。)お金なんてないからファンクラブには入れないし、両親には東京にライブに行きたいなんて言えるような雰囲気ではなかった。

その分、擦り切れるほど観た番組の録画や雑誌にお金と気持ちをつぎ込んでいた。

 

「~PRIME OF LIFE~」あたりまでをピークに、だんだん気持ちが下がってゆき「ハナムケ」のCD購入を最後に「ファン」からは離れて行った。

(とは言えしばらくはツタヤにアルバムを借りに行ったりしていたのだが。)

 

きっと彼らの音楽の方向性がだんだん変わって行ってしまったこともあるし(それがいいとか悪いとかではなく)、私は私で高校生になり、色々としんどい時期に突入していて、小・中学生の時の自分とは同じではなくなってしまったこともあったと思う。

 


Another Days(MUSIC VIDEO Full ver.) / w-inds.

(話逸れるけど、当時はAnotherDaysの頃の慶太の見た目や髪型が最高に好きだった。銀髪かっこよかったなあ・・・。)

  

彼らの初期楽曲の魅力を語るのに、やはり葉山拓亮の存在は避けて通れないだろう。

歌詞の良さ、曲の良さはすでに言い尽くされているが、それに加えて「今・ココ」の彼らの一瞬を捉え「再現性のない」楽曲をw-inds.に、そして私たちに提供してくれていたように思う。

 

慶太の変声期中のあの一瞬の声色、高音が出にくくなっているのを無理に出そうとするヒリヒリした音、反抗期や負けん気が混じった生意気な瞳、10代のトゲトゲした色気があった「今・ココ」でこそ成立し得た曲であったと思う。 


Paradox(MUSIC VIDEO Full ver.) / w-inds.

 例えばParadoxなんかが代表的だけど、w-inds.の楽曲は爽やかでノれるだけのアイドル曲ではなく、思春期独特の悩みや暗さみたいなものがそこかしこに散りばめられている。 

 

当時購入したCDは今でも手元にあるし、折に触れて聴いては勇気をもらっている。最近Apple Musicで全曲配信されるようになってからは改めていろんな曲を聴くようにもなった。それでも彼らの初期の楽曲は私にとって特別であり続けている。

 

そんな訳で、私にとってw-inds.のライブに参戦するということはある種、一つ小学生の時の夢を叶えてあげることであり、また、そもそも東京に憧れをもち今暮らしているのは、ブラウン管越しの彼らの存在に近づきたかったからであり、その意味では自分の人生の伏線を回収するような意味合いもあった。

 

ライブの感想はここでは詳しくは書くまい。

ただ「try your emotion」や「Long Road」を彼らと一緒に唄いながら、今まで彼らのデビューしてから17年と私の生きてきた17年が、線と線が交わり溶け合っていくような不思議な感覚に陥った。当時の声とは多少違っていても間違いなく彼らの声だった。

ちょっと長めの丁寧なMCも、彼らの仲の良さも、色んな時期を乗り越えてきた安定感を感じるものだった。

 

17年前に活動していたアーティストも、今同じように活動を続けている人たちばかりではないだろう(彼らの先輩であるDA PUMPが今年注目されているけど、ISSA以外メンバーが変わってしまったのだと知った時は驚いた。)

だからこそ、彼らがずっと活動し続けてくれていた嬉しさ、そしてまた「出逢えた」感動を私はずっとずっと忘れまい。

 

w-inds.を私は一生推し続ける。